直島巡り

銭湯で汗を流したというのに、その後レンタルサイクルで島を巡る。
フェリーの時間との兼ね合いや遅刻のツケがまわり、地中美術館方面を諦め「家プロジェクト」を中心に、島を縦断する。
気持ちの良い起伏のある地形で、湯上りにさっそく良い汗をかく。




“家プロジェクト”「はいしゃ」。
歯科医院兼住居の民家を大竹伸朗が再構築?した作品。
外からは見えませんが、内部の吹き抜けに「全景展」でもあった自由の女神のレプリカ(「女神の自由」だっけ?)がすっぽりと入っており、二階に上がると眼が合います。
この家も銭湯と同じくネオン管が配されており、また次に直島にゆっくり行ける時は必ず夜の顔も見たいと思った。





杉本博司の「護王神社」。
社殿に通じる階段はガラスでできており、手前の一段目は実は一段目ではなくて、地下にも通じているらしいです。http://www.naoshima-is.co.jp/#/art/shrine
大竹作品に漬かった直後に見ると、すっきりし過ぎの感が……眼に物足りない。





安藤忠雄の「南寺」。http://www.naoshima-is.co.jp/#/art/minami
これは面白かった。
全く光の無い空間に閉じ込められて椅子に座っているだけの作品。
最初は全くの暗闇で自分の目玉がどこに焦点を合わせて良いのか混乱し、瞳孔も開きっぱなしで異常に眼が疲れた。
眼をつぶった時に見える瞼の裏に見えるサイバーな閃光やら幾何学的な光線が、眼を開けながらにして見えてくる。
全くの暗闇のはずなのに網膜は光の幻を見せる(幻?見えているのにか?ん?闇にも光がある…どういうことだろう…確かに光を見ているのに状況は暗闇とは…)。
「そういう作品なのか?」と思っていると、前方10メートルくらい先に薄ぼんやりと限りなく黒に近いグレーの長方形の面が浮かび上がってくる。
光の位相差を眼が感じて、徐々にその「白茶けた黒」と「漆黒」の差がくっきりとしてくる。
それでも気を緩めるとその白茶けた長方形の輪郭は漆黒の中に滲んで溶けてしまう。
闇の中で次第に距離感を獲得できるようになる。
暗闇の中に何も映っていないスクリーンの様な光未満の光が見えて、「古代の人にとって朝が来るということはどんなに喜ばしいことだったろうな。太陽そのものが生きていることを祝福しているようなものだったろうな」と、ちょっとした宗教体験をした気分。





南寺付近にあったもの1。
顔がだまし絵みたいな座りの悪い顔のパンダ。
見てるとだんだん首が回ってきちゃう。





南寺付近にあったもの2。
プリマドンナってこんなつづりで良いのか。
場末のスナックのようなロゴだが、これは農耕器具に付いていたロゴ。




「家プロジェクト」の集まる集落からフェリーの出る宮浦港を結ぶ道路沿いにあった人形。
なぜか東欧あたりの人形を思い出させる哀愁。





山側から「家プロジェクト」などの本村地区を見下ろす。





なぜか地方に行くと野球場や学校の校庭に惹かれてシャッターを押してしまう。
奥にはホワイトベースの様な立派な校舎。





フェリーの最終便の時間が迫ってきたので宮浦港へ戻り、夕陽を背にした草間作品を撮影。





良い夕焼けでした。
このあと高松に戻って繁華街へ繰り出し、鳥の上手い居酒屋で舌鼓ポンポンポーン。
初日おしまい。